お灸でセルフケアしたいとお考えの方にとって、どのツボにお灸を据えたらいいのかは悩むところですよね。
間違ったツボを選んでしまうと、症状を悪化させてしまうことにもなりかねません。
そこで、今回は自分だけのツボの見つけかたについてお話ししたいと思います。
ツボを刺激する理由
ツボの話②でご説明した通り、ツボはからだの内側と外側を結ぶいくつかのルートの上にあります。
このルートを東洋医学では経絡といいますが、経絡はそれぞれ決まった臓腑につながっているのです。
経絡は気・血・津液(水分)を運行する通路です。
この経絡の通りが正常であれば気・血・津液(水分)の運行もスムーズで、からだは健康な状態といえます。
しかしなんらかの原因によって経絡の流れが阻害されてしまうと、からだにさまざまな変化を生じさせてしまうのです。
ツボを刺激することは、経絡の流れを正常に戻すこと。
すなわちからだをあるべき状態に回復させることなのです。
自分のツボを見つけるポイント
自分のツボを見つけるためには、まず流れが悪くなっている経絡を見極めることが重要です。
たとえば代表的な5つの経絡に
肝の経絡
心の経絡
脾の経絡
肺の経絡
腎の経絡
があります。
それぞれ西洋医学でいえば
肝臓
心臓
胃腸
肺
腎臓
に近いものですが、この5つの臓にはそれぞれに特徴的な働きがあります。
<五臓の主な働き>
肝の働き…気・血の巡りをコントロール
心の働き…血を全身に行き渡らせる
脾の働き…気・血・津液(水分)を生みだす
肺の働き…呼吸や皮膚の調節、外邪からの防御
腎の働き…生殖機能、老化との関わり
もちろんこの他にもさまざまな働きがあります。
もしもいずれかの五臓の働きが停滞していたり、過剰に働きすぎていると、からだは変調をきたします。
不調の原因と思われる臓腑につながる経絡を見つけ、その上にあるツボにお灸を据えたり鍼を刺したりすることで、からだは正常な働きを取り戻すのです。
味覚でわかる自分のツボ
五臓に変調があったときに現れやすい体の変化のひとつに味覚の変化があります。
肝の変調…酸っぱいものが欲しくなる
心の変調…苦いものが欲しくなる
脾の変調…甘いものが欲しくなる
肺の変調…辛いものが欲しくなる
腎の変調…鹹(しおから)いものが欲しくなる
もしこのような味覚の変化があったときには、それぞれの働きが弱っているかもしれません。
味覚の変化に当てはまる五臓の経絡上にあり、より効果的なツボを選ぶと効果的です。
次回はさまざまな症状によって選ぶツボをご紹介します。
(文責・雪浦本院 山口)
Comments