お灸にはさまざまな種類があり、目的や施術する鍼灸師によっても使い方が異なります。
陽鍼はり灸では、ご希望の方に手作りのモグサによる灸施術を始めました。
この記事では、お灸の効果や効能はもちろん、お灸の成り立ちなど詳しく説明しています。
今回のテーマは陽鍼はり灸のお灸に欠かせないモグサの原料【よもぎについて】です。
よもぎとは
春になると野山に自生する「蓬(よもぎ)」。
よもぎにはさまざまな効能があり、最近では韓国の伝統的な民間療法である「よもぎ蒸し」が女性に人気です。
また、春の彼岸の中日に食べる「ふつ餅」もよもぎの葉を使った郷土料理として有名です。
よもぎはモグサの原料
お灸の材料となるモグサはこのよもぎから作られます。
よもぎはキク科の多年生植物で、春に芽を出し、秋には小さな白い花を咲かせます。
モグサとなるのはこのよもぎの葉の裏面にある毛茸(もうじょう)と腺毛(せんもう)の部分です。
毛茸(もうじょう)とは
毛茸(もうじょう)はキク科植物などの葉の裏に密生する白い毛のことです。
毛茸(もうじょう)にはさまざまな形があり、よもぎの毛茸(もうじょう)はT字型をしたものが多いためT字毛と呼ばれます。
腺毛(せんもう)とは
腺毛(せんもう)には揮発性の精油(エッセンシャルオイル)が含まれており、その主成分はチネオールです。
もぐさを燃やしたときの独特の香りはこのチネオールの香りです。
チネオールは炎症や痛みを和らげるほか、白血病細胞を殺す作用があるといわれています。
質のよいモグサにするために
モグサにするためのよもぎは、5月から8月に採集するのが一般的です。
この若葉の時期を過ぎると、毛茸(もうじょう)が脱落するのでモグサになる量が減ってしまうのです。
芳香の良い、熱刺激の緩和なモグサにするためには、毛茸(もうじょう)や腺毛(せんもう)以外の夾雑物をできるだけ取り除くことが重要になります。
4月頃のよもぎ