はりきゅう施術は、はりやお灸を痛みのある部分に刺す(据える)などして痛みを取るとお考えの方は多いと思います。
もちろん痛みに直接作用する施術も行いますが、はりやお灸の効果はそれだけではありません。
今回は、はりやお灸を的確なツボに刺す(据える)目的についてご説明します。
はりきゅう施術を受ける前にご一読いただければ、はりきゅうの効果にも変化が現れるかもしれません。
疎通経絡(そつうけいらく)
疎通経絡とは、経脈を通じさせて気血を整える効果をいいます。
経絡は体の表面から臓腑につながっているパイプのようなもので、気、血、津液(水分)が流れる通路と言われています。
経絡が正常に流れていれば、気、血、津液(水分)の運行もスムーズですが、何らかの原因でその流れが阻害されることで、さまざまな変化がからだに現れます。
はりやお灸は疎外されている経絡上のツボを刺激することによって、その流れを正常な状態に回復させる効果があるのです。
疎通経絡は、症状を改善するために必要な作用です。
扶正去邪(ふせいきょじゃ)
扶正去邪とは、正気を助けて邪気を取り除く効果をいいます。
正気は病気に抵抗する力、邪気はさまざまな病気の要因となるものです。
病気はからだの中で正気と邪気が争う過程で生まれ、変化していきます。
正気が邪気に勝てば病気は快方に向かい、邪気が正気に勝てば悪化するのです。
正気が強ければ強いほど、邪気は無力となります。
陰陽調和(いんようちょうわ)
正常なからだの中は、陰陽バランスがほどよく保たれています。
何らかの原因で陰陽バランスが崩れると、からだにはさまざまな変化が現れます。
陰陽を調節し、どちらかに偏ったバランスを調節して平衡状態に戻すと、からだは正常に戻るといわれています。
陰陽の異常は、寒熱の症状でもわかります。
いかがでしょうか。
鍼灸施術は疎通経絡、扶正去邪、陰陽調和を目的に行います。
はりやお灸はこれらの目的に応じて、基本的な方法論に基づいて施術するのです。
次回はその方法論についてお話しします。
(文責・山口陽子)
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