太極拳歴6年目。
長崎の鍼灸院、陽鍼はり灸(ヒバリハリキュウ)オーナーの山口です。
今回は太極拳と【気】の関係性についてお話したいと思います。
太極拳で冷えが改善?
最近の話です。
4年近く陽鍼はり灸に通っていただいている患者さんに、
「先生は以前に比べて手が温かくなったね」
と言われました。
その患者さん曰く、通い始めた当初は時々私の手が冷たくて触られるとビクッとすることがあったそうですが、いまは逆に温かくて心地がいいそうです。
確かに冬になっても冷えに悩むことはなくなりましたし、靴下を履いて眠ることもなくなりました。
その理由を考えているうちに、これは太極拳による【気】の効果なのではないかと思い至ったので、今日は太極拳でも重要な【気】についてお話したいと思います。
気功とは
気功というものがあります。
気功とは鍼灸や漢方と並ぶ中国の養生法のひとつで、以前は導引吐納と呼ばれていました。
太極拳と同じく公園などで広く行われていましたが、1957年に国営気功療養院院長だった劉貴珍が『気功療法実践』という本を出し、これが世界各国で翻訳されて「気功」という統一された名が世界的に定着したそうです。
現在わたしたちが学んでいる簡化二十四式太極拳が制定されたのが1956年なので、気功としての歴史は太極拳とほぼ変わらないようです。
気功と太極拳における【気】との関係性は何でしょうか?
気功には気を体内で循環させる【内気功】と体の内と外の気を交換させる【外気功】があります。
昔テレビでよく取り上げられていた、触れずに相手を弾き飛ばすあれは【外気功】です。
メディアで取り上げられやすい派手な動きの【外気功】の方が日本では馴染みがありますが、中国で気功といえば主に【内気功】のことです。
【内気功】にも体を動かす【動功】と動かさない【静功】があります。
『太極拳のお話③【太極拳の歴史】』でもお話したとおり、太極拳は元々は武術ですが、現在では【動功】としての意味合いの方が強いようです。
それでは、その【気】とは一体何でしょうか?
東洋医学における気
東洋医学における【気】とは
“活力があり、休むことなく活動する精微な物質”
のことです。
【気】は活動する部位と働き方で元気・宗気・営気・衛気という名称で呼ばれます。
元気は生命活動の原動力であり臍下丹田(おへその下)にあつまる気
宗気は心拍や呼吸運動を促進する働きがあり膻中(胸の間)にあつまる気
営気は全身を栄養し活動を支える気
衛気は体表を防御する気
のことを指します。
太極拳で得られる様々な効果
太極拳では【動功】の効果でこれらの気を整え、気の働きを正常に運行させることができるのだと思います。
私の冷えが改善されたのは、太極拳の動きの中で知らず知らずのうちに元気や営気が整えられたためではないでしょうか。
また、冷えの改善以外にも
深い呼吸を取り入れることで宗気が働き発声ががしっかりする
衛気の働きによって外邪の侵入を防ぎ、風邪などを引きにくくする
いった効果も得られるようです。

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