陽鍼はり灸(ヒバリハリキュウ)オーナーの山口です。
前回は陰陽のお話をさせていただきましたが、今日は一つ戻って『陰陽五行のお話①』の内容をもう少し深堀りしていきたいと思います。
五行について
まず【五行】がどういったものだったかというと
”木は燃えることで火を生み出し、火は灰になって土を生み出す。土には多くの鉱物資源(金)があり、鉱物(金)は冷えることで水を生じ、その水は木を育てる。”
この世界に存在するあらゆるものはこの木火土金水の5つの要素から成り立っていて、人の体に関してもこの5つの要素が当てはまりますよという考え方です。
木→肝
火→心
土→脾
金→肺
水→腎
それぞれが互いに影響を与え合い、補い合っているので、この5つのつながりを大切にしましょうね。
木(肝)はそれを育てる水(腎)がないと成長しないし、その水(腎)も鉱物(肺)が存在しないと生まれませんよ。
簡単にいうとこういうことです。
例えばですが、精神や感情に関わる肝(木)は心(火)を燃え上がらせます。
ストレス等で心臓に負担がかかるのは肝(木)が心(火)に影響を与えているからといえます。
確か2年くらい前だったと思いますが、NHKスペシャルで「人体」という番組が放送されました。
司会はタモリさんと、IPS細胞の開発でノーベル賞を受賞された山中伸弥先生でした。
その番組の中で、
以前は脳や心臓が人体の中心であると考えられていましたが、実は全ての臓器やその臓器を構成している細胞のひとつひとつに至るまでそれぞれが情報交換をしていて、いわば体内には巨大なネットワークがあるんです。
という内容が語られていたと思うのですが、中医学では紀元前300年くらいからこのネットワーク(つながり)について考えられていたのですから驚きです。
感情にも当てはまります
五行に当てはまる5つの要素には五志といわれる感情の配当もあります。
これは病気をもたらしたり、病気のときの感情といわれています。
木→肝→怒
火→心→喜
土→脾→思
金→肺→憂
水→腎→恐
例えば怒りの感情が多すぎると肝に病気をもたらしてしまうことがあり、恐がりすぎると腎に影響を与えるというように考えていただくといいかと思います。
腎は腰に近い位置にあるので、“恐がって腰がひける”というのはこの五志からきているのかもしれません。
明日は今日のお話に関連のある『薬膳のお話③」です。